【お墓のリフォーム】大事な事前準備
たくさんのご先祖様がいらっしゃる家は必見
おはようございます。但馬らしくない晴天が続いております。
兵庫県豊岡市のお墓と墓石のアドバイザー、おおきた石材店、大北和彦です。
今日の朝は晴れているので、おそらく天気は下り坂でしょうね。
ご先祖様のお墓がたくさんお持ちの方のお墓のリフォーム依頼をお受けしました。
ご先祖様のお墓がたくさんある墓地と別に立派な最近建てられたお墓もあり、2か所のお墓の管理は大変だということで一か所にまとめるお墓工事です。
まず、お墓の整理をさせていただくご先祖様のお墓。
25基のお墓があり、土葬と思われます。こちらのお墓を整理させていただき、もう一か所のお墓に集約させていただきます。
ご先祖様の情報取集
まずこちらのお墓に眠っているご先祖様の戒名や亡くなった日、年齢、関係等をまとめることから。。。
25基のお墓だと思っていたのですが。。。
お墓とお墓の間に石が倒れているな、と思って、念のため表面の苔をはがしてみたら。。。お墓でした。。。
戒名が彫刻されていました。
よく見ると、しっかりと読めます。「童女」なので、子供の頃亡くなった女の子でしょうか。「安永4年」と読めます。
ネットで調べると、「安永4年」は江戸時代中期ですね。
浅間山が大噴火した前の年です。
火付け盗賊改め方の「長谷川平蔵」が30才。平賀源内、杉田玄白は40代。鶴屋南北、喜多川歌麿は20歳前後、葛飾北斎は10代という時代だそうです。
教科書に出てくる江戸時代の著名人がまだ若い頃ですね。
江戸時代の年表作りは必須
この見つけたお墓のご先祖様を含めて、江戸時代の年表に当てはめていきます。没年がわからない方もいらっしゃるので、正確な年表とはなりませんが。。。
家族の関係を配慮して、戒名碑に彫刻する順番にリストを作ります。ただ、関係性がわからないご先祖様の場合が困ります。
ご夫婦は明確ですが、成年で独り身で亡くなったと思われる人、子供時代に亡くなった人は関係がかなり難しい。。。没年しか情報がないので。。。
お墓の位置とかも情報源となる場合があります。ご夫婦の子供で幼くして亡くなった場合はその夫婦の隣りに建てる場合がありますから。
さらに、親の戒名の一文字を頂いて、子供の戒名に使うということも稀にですがあります。
そういった副次的な情報も加味して、没年令があまりにも違うと別の関係か、と考えたりして、何とか戒名に彫刻する原稿を作り上げていきます。なかなか、ご先祖様の名簿を作成することも大変な作業です。
一次情報を集める方法
信頼度の高い情報として、
① お墓に彫刻してある文字情報
お墓に彫刻してあるので、間違った情報である可能性はかなり低いです。ただ、戒名のうち、「信士、信女」が「居士、大姉」に変更されている場合は割とあります。これは間違っているのではなく、お墓を作った後、戒名が変更された、ということ。
古いお墓、江戸時代のお墓とかは劣化して読めない、お墓自体が風化してなくなってしまうこともあるので、お墓だけで判断は難しいです。幼い子供時代に亡くなった場合、石のお墓を建てない場合もあります。
② 過去帳
その家で亡くなった人の亡くなった歴史を記してあるのである程度、信頼がおけますが、お寺の過去帳とそれぞれ家の仏壇に安置されている過去帳があります。
亡くなるたびに追加で書いていくものなので、書き忘れたり、写し間違えたり、あえて書かなかったりという場合もあるので、100%信頼できるわけではありません。また火事で焼失することもままありますので、注意が必要です。
③ 戸籍
こちらは信頼度はかなり高くなりますが、あまりにも古いものは残っていない場合もあります。
まとめ(最後に悩む部分)
以上がご先祖様の情報収集とリスト化でした。
それでも特に難しいのは、親子、兄弟、夫婦関係です。基本、夫婦で一基のお墓ですが、結婚してない場合、一人のお墓となりますし、子供時代に亡くなった人は当然一人です。(夫婦墓の真ん中とか端に子供の戒名を彫刻してある場合も稀にあります)
そういった情報を集めて、施主様と相談しながら、戒名碑の彫刻用の原稿を作成していきます。今回は新たに30名以上の方の戒名を彫刻します。片面のみだと難しいのかもしれません。。。