兵庫県豊岡市のお墓と墓石のアドバイザー

他人事ではないお墓の地震対策①

    
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他人事ではないお墓の地震対策①

2022年3月16日福島沖を震源とする地震の影響で多くの墓石が倒壊したという情報を頂き、実際に見て今後のお墓工事の参考にさせていただこうと思い、調査のため見学に行かせて頂きました。

調査した墓地は福島県相馬市と相馬郡新地町。相馬市は震度6強。新地町は震度6弱を観測しております。両地区はその1年前、2021年2月13日にも震度6強の地震を経験しており、地震の影響がかなり深刻だと思われます。

震度6強というのは、かなりの揺れですが、東日本大震災以降、福島県のお墓はかなり地震を意識して対策を施されて、少々の地震では倒れないのではないか、被害は少ないのではないかと思われていましたが、本当に予想外でした。

とにかく大変な被害でした。一年前に大きな地震があった後なのに。。。お墓の持ち主の皆さんには本当につらい現実を突きつけられているな、と思われます。心痛お察しいたします。少しでもお力になれれば、と思いますが私にはどうすることもできませんでした。

じっくり見ていくことで分かってきたことがありました。

①施工不良は問題外

接着してない。石の上に石が乗っているだけ。これでは倒れてしまうのは当たり前。

シール(目地)はしっかり施工してあるんですが、接着した跡がない。接着剤を使っていなかったとは考えずらいので、おそらく接着剤を使ったけど施工不良(接着面が汚れていたか接着剤が少なすぎた)で接着不良となったと考えられます。シール内部(接着面)が結構汚れているのが見えますが、上に載っていたスリン(だと思われます)の裏面にはしっかりと接着剤が残っているのではないかなと。。。

こっちも同じですね。

以前地震で広がった隙間を締めずに隙間ができたまま金具で固定してしまっています。

このように、正しい施工(工事)がなされていない場合がいくつか見受けられました。

正しく工事をしてない場合、通常はわからなくても、地震などの影響を受けた場合、弱い部分が露呈したり、地震の影響を大きく受けたりします。

ただ、お墓の工事には実質ルールがありません。それぞれの石材店が独自に自分たちなりの考えで工事しています。

私も父と仕事を始めた頃、ほぼ接着剤を使わない工事をしていました。ですから、大きめの地震が来たら、昔に建てたお墓は倒壊する可能性はあります。ですからあまり偉そうなことは言えないのですが、たくさんのお墓工事の復旧依頼が来て、多忙を極めていたであろうことは想像できますが、令和の時代、これではもうだめだと思います。

②接着剤(ボンド)の使用量の不足は

接着剤を使わないというのは問題外ですが、使っても少なすぎる、使い方が間違っているという例も多く見受けられました。

量が少なすぎるので外れて前にずれてしまっています。

接着剤使っているのですが、あまりにも少なすぎる。

一点だけで止めるなんて、もはやだれが見ても無理だと思いますね。同時に厚みも大事です。
最低限2から3ミリ程度の厚みがなければ接着剤の性能を発揮できません。ですからシールがほとんどない施工の方法はダメなのです。関西ではずいぶん少なくなっていますが、いまだにありますね。目地がないお墓。

中台とその下の石が分離してその上全てが分離してズレてしまっています。地震の力というのは極めて強大でとんでもない力がお墓の石を動かします。ですから施工していて一番弱い部分に影響が出てしまうんですね。

③免震棒、使い方を間違っていたら。。。

免震棒を利用したお墓は業界では話を聞きますし、実際使っている石屋さんは多いと思います。でも使い方が間違っていたら、使わない方が良かったという場合もあります。

このように石が回転してしまっているのはおよそ「免震棒」が入っています。ですが回転してしまっていてはあまり意味がないですね。

明らかに短い。これは入れない方がむしろ良かった例です。短すぎると簡単に抜けて、戻った時にこの免震棒が邪魔して、うまく戻らずに倒れてしまう、という事例があるようです。短すぎる免震棒はほんとにやめた方がいいですね。

これはおそらく「免震棒+免震パット」という組み合わせ。業界内では地震に対して最高の対策だと一部では思われているかもしれません。ですがこのように回転してしまっています。
シール跡はしっかりしているので、接着剤の量が少ない可能性も低いと思います。接着剤の接着面積が少なすぎたのか、もしかしたら免震パットが。。。免震パットがなければ被害が少なかったかも。。。

まとめ

一概に地震対策と言っても、ほんとにたくさんの対策があり、それが効果があるのかどうかは地震が来てみないとわからない部分もあります。まず一見して気になる部分を書いてみました。まだまだたくさんあります。次回に続いて書いていこうと思います。

続き記事はこちら。。。https://ohkita-sekizai.com/archives/30483

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