【シン・日本の石でお墓を建てる5つの理由】
年末年始モードに入りつつありますので、毎年のことですが、この時期は出来るだけ多くの新しい記事を書いていきたいと思います。
◇兵庫県豊岡市のお墓のアドバイザー大北和彦です
兵庫県豊岡市のお墓と墓石のアドバイザー、おおきた石材店です。
☑ 兵庫県北部で唯一の「お墓ディレクター1級」
☑ 雨漏りしないお墓「信頼棺®」正規代理店
☑ (一社)日本石材産業協会常任理事
☑ 顧客満足推進委員会委員長
おおきた石材店はお墓のことを全く知らない人にも、お墓を建てる時に大事なことをわかりやすくお伝えすることを第一に考えて情報発信しています。
以前、こういう記事を書いていました。(自分で書いて忘れている。。。)
「日本の石でお墓を建てるべき4つの理由」(2015年6月11日記事)
自分で言うのもなんですが、なかなか良い記事なので、読んでみてください。
ただ、もう7年以上昔の記事なので、最新版のものを書いてみたい。(しかも「シン・ウルトラマン」を見たばかりだから、若干、影響受けております。。。)
というわけで、令和5年版、「日本の石で日本人のお墓を建てるべき5つの理由」を書いてみます。
① 価格の差が小さくなってきた
「昔は外国産の石で外国人が作ったお墓(主に中国)」と「日本で採れた日本の石を日本人が作ったお墓(日本で)」では価格で大きく違っていました。
その価格差がかなり小さくなってきました。
特に最近、円安で輸入製品がかなり割り高になっています。お墓の石も例外ではなく、高騰し始めています。
それに加えて、中国は春節(旧正月、今年は1月22日)を境に年が変わります。その旧正月を境に価格が高くなるのというのが毎年恒例となっていました。逆に言えば、春節前はあまり価格が高くしずらい時期でもあるわけです。
来年来月の春節以降はおそらく価格は高くなる、と予想されています。そうなると更に価格差が小さくなるはずなのです。
② 石材店版「チャイナ・リスク」は小さくない
中国という国に対する「チャイナリスク」が叫ばれています。国の基本的スタンスが民主主義の国ではないので、私たちの常識が通じないのが中国という国です。
特に石材業界はかなり多くの部分を中国という国に支えられています。日本人のお墓の8割以上が中国で加工されているのです。
例えば、日本の石、インドの石でお墓を作ったとしても、それはいったんその石を中国に送って、中国の工場が加工して、日本に送っている可能性があるからです。日本の石はそれでも日本で作っている部分がある程度ありますが、インド産の石はかなりの部分、中国の工場で加工しています。
〇 コロナの影響はあれで終わったのか?
〇 それ以外で今後別の病原菌が発生するリスクはないのか?
〇 もともと中国政府は「石材加工、採掘業」を軽く見すぎている(あってもなくてもいい?)
〇 台湾有事が発生したら、貿易断交は間違いない
〇 それ以外のことで中国との貿易が再び遮断されたら?
〇 そもそもなぜ中国で日本のお墓を作る必然性があるのか?
少し考えても、これくらいのリスクがあります。それって小さなことですか?
③ 日本の石のメリット
上のリンク記事にも書いておりますが、「日本の石の実績」です。
お墓に使われている石は本来、別の建築、土木で使用されていました。古くは江戸時代以前、大阪城の石垣に使用されていた石の多くは瀬戸内海の島から採掘された石材です。そのうちいくつかがお墓にも利用されるようになった経緯があります。
関西、特に私の住む豊岡市では、
個人のお墓に関しては明治、大正時代までは近隣で採掘される石をお墓に利用していましたが、昭和初期、中期、戦後あたりくらいから、瀬戸内近辺の石を輸送できるようになって、利用し始めました。
石自体は300年以上昔から利用されてきました。お墓として使用されてきたのも70年、80年となりつつあります。その間、建築資材として、お墓としてあり続けていて、日本の天候、風土に耐えてきたという実績があります。
逆に、外国産の石は古いものでも30年程度しか経っていません。中国材とかそれ以降のインド材などは20年程度まででしょう。その程度は耐久性があるけど、それ以降はどうなるかまだ分からない、というのが現状です。ごく一部ですが、外国産の石材で日本の風土、環境でほんとに酷い状態になっている石材を見かけることがあります。そういう石があるということは大きなリスクでもあると思います。
④ 外国産の石のデメリット
今現在、中国産の石種はかなり数が減っております。
かつて多くの石材店が使用していた中国の石。名称として「AG98」「G623」「G614」「G688」といった石種は今全く採掘されていません。どこかの石材工場が在庫として所有している石があるのみです。あれだけ多く使用していた石材石種ですが、今は手に入れることは不可能ではないですが、かなり高価な費用が掛かります。需要と供給の関係で価格が上がっているのです。そのうち、幻の石となることは必定です。
韓国で採掘される石、「陰城石」という石があります。
今も採掘されていると思われる石ですが、この石、兵庫県北部では一時期本当によく使われていました。その理由は、「似た石」であることと「安い」から。当時よく使われていた瀬戸内産の「青木石」という石と似ていたこと。更にその石よりかなり「安」かったから。
最近、メンテナンスの工事でその陰城石を注文したことがあったんですが、驚くべき値段でした。高騰していたのです。それでもその石があったので幸運でした。石自体がなければ、メンテナンスすらすることができないはずです。日本の石なら、探せばどこかに石はあると思います。価格は高くても。
では、中国やその他の外国の石、残っているでしょうか? 流通期間が長い石なら残っている可能性も多少ありますが、一時期、流行って、すぐ使わなくなった石はほぼ無理でしょう。
やはり外国の石はメンテナンスを考えたら、お勧めできない石となります。
⑤ 中国人に作ってもらうリスクを考える
最後はこれ。石ではなく、むしろ「中国人に作ってもらうリスク」です。
これはある意味「チャイナリスク」と取れる部分でもありますが、中国人に作ってもらうリスクです。中国人が作るお墓。日本に溢れていますが、どうしてそうなったか? その元々のその理由は、「安いから」
加工がいいからとか、丁寧に作るからとか、仕事がはやいからとか、心を込めたものを作るからとか、ではない、ということです。そして、それに加えるなら、「今、その方法(スタイル)で多く作っているから」
その理由は今やもうほとんど意味のない理由になってしまっています。ですから、最近は「中国加工」から「ベトナム加工」とか「カンボジア加工」へと移行しようという動きが進みつつあります。まだ技術に差がありすぎるので、移行はすぐには難しいですが、そのうちそうなってしまう可能性があります。
加工がいいから。
丁寧に作るから。
仕事が早いから。
心を込めたものを作るから。
そういったことが本当に大事な理由であるはずです。
でも、そんな外国加工に頼るより日本人の加工のお墓の価値に気づいた方がいいと思うのですが。。。