おおきた石材店式「地震に強いお墓」
オーバークオリティという言葉を地で行きます。おおきた石材店のお墓。
◇兵庫県豊岡市のお墓のアドバイザー大北和彦です
兵庫県豊岡市のお墓と墓石のアドバイザー、おおきた石材店です。
☑ 兵庫県北部で唯一の「お墓ディレクター1級」
☑ 雨漏りしないお墓「信頼棺®」正規代理店
☑ (一社)日本石材産業協会常任理事
☑ 顧客満足推進委員会委員長
おおきた石材店はお墓のことを全く知らない人にも、お墓を建てる時に大事なことをわかりやすくお伝えすることを第一に考えて情報発信しています。
先日のお墓の基礎工事記事。
まだお読みでない方はこちらから。。。「S家のお墓の引越し①」
こちらは、「地震に強いお墓」ではなく、おおきた石材店の通常施工のお墓なのですが、こんな感じになりました。
お墓工事ではあまり見かけない下準備
コンクリートの強度が出る2週間程度、経過後、コンクリートの表面を切削作業します。これを「レイタンス除去」作業といいます。
※ レイタンス除去とは? https://yabu-sen.com/laitance/
この基礎コンクリートの上に石が乗るだけなので、施行方法によっては、簡単にずれてしまいます。ですから、施行方法はかなり慎重に、できることはできるだけするのがおおきた石材店の考え方です。
ちょっと怪しいですが、レイタンス除去している様子です。上に石、あるいはコンクリートが乗る部分のみ表面にあるレイタンス層を除去するため、削り取っています。
接着剤を塗って基礎コンクリートと一体化
そして、地墨を再度、打ち直して、今度は、石を施工する部分にモルタル接着剤を塗ります。
ちょうど、レイタンス除去した部分、いちばん外側にモルタル接着剤を塗りました。色が変わっているので確認できると思います。白い色の接着剤ですが、乾くと透明になります。
接着剤といっても、ピンからキリまであって、昔は安い製品を使っていましたが、現在はこの製品を使っています。
日本化成のNSハイフレックスという製品。高価ですが、接着効果が抜群で、しかも防水性能もアップするという製品です。
こちらはさらに高価な、マノール社のアクリット(カチオン系)という製品です。今後はこれを使っていこうと思っています。接着効果は抜群。カチオン系という文系の私にはよくわからないのですが、陰イオンと陽イオンの引き合いで非常に強い接着効果が期待できるそうです。しかも、防水効果が抜群。お墓の石って、実はすごく水を吸います。吸うだけならいいのですが、その水を吸収したら変色するのです。特にグレー系の石は見事に変色します。それを防ぐ効果も高いのです。少々高価でも、使用する価値はあると思いませんか?
これらを使用して、外柵石(お墓の一番外側の石)を施工しました。
基礎コンクリートだけではなく、石の裏側、そして、間に挟むモルタルにも上記の接着剤を使用しております。
補強の最後は強力な固定金具
見た目は全く普通のお墓の外柵ですが、よく見てください。なんだか金具がたくさん設置しています。
それぞれ金具はすべてステンレス製。そして、それぞれに以下のものが装着しております。
上が固定金具。下の二つがその固定金具と石とを固定するアンカーボルト。いずれもオールステンレス製の金具です。錆びて施工不良になることを想定して、お墓に使う金具は基本、すべてステンレス製のものを使います。
上の画像はL型モノコック金具と言って、従来の石材店が使っている金具(チラシの下のもの)より3倍の強度を持つ製品です。触ってみるとわかりますが、全然違います。絶対に曲がらない存在感です。
まあ、その分、従来製品よりも高価なんですけどね。
ボルトの太さ、種類も大事
そして、最後は使用しているボルトです。
私の手に持っているボルトですが、昔使っていた8ミリ径のボルトが下のもの。上が現在おおきた石材店が使用している10ミリの建築用のウェッジ式アンカーボルトです。
ちなみに、アンカーボルトというのは、石に穴をあけて、その穴にアンカーボルトを打ち込み、摩擦力で石と金具を強固に固定する、というものですが、昔、ASアンカーというものを使っておりました。こんなのです。
10年以上前ですが、おおきた石材店も使用しておりました。ほぼすべての石材店で使用していたのではないかな、というほど多く使われてきた製品です。しかしこれはダメでした。亜鉛が使用されていて、そこが経年で緩むのです。数年すると全く効果がなくなる。簡単に緩んでしまうんです。ほんとにびっくりです。
ところが、最近でもこのASアンカーを使用されている石材店があるという噂を聞きました。施工不良の原因になります。やめたほうがいいですね。オールステンレス製なら、もしかしたら、と思ったりしますが、おおきた石材店では「ウェッジ式のアンカー」(上記の10ミリのもの)を使用させていただいております。
そしてボルトの数も32本!!
上記の金具セットを石同士の接点には1か所。だから両端で2か所。それぞれ固定します。
さらに見ていただいたらわかるように、下の基礎コンクリートとも固定しています。長い石は2か所。短い石で1か所。(正面、階段部分は除きます)
合計で16か所。アンカーは32本。
この細い石を固定するためにこれだけは、ややオーバークオリティかもしれないなと、私も思います。
お墓は長い年月そこにあるもの
これだけ、手間暇かけても、完成したら普通のお墓と何ら変わりません。
見た目は同じ。建て方も同じだろうと思ってしまいます。
でも、お墓ってとても高価でしかも、長い年月、そこにあり続けるもの。
そして、傾いたり、倒れたりしてほしくないものです。大切な心のよりどころですから。
少々オーバークオリティであっても、建て方には万全を期したい。そう考えてお墓を立てさせていただいています。
実は「地震に強いお墓」ではない??
実は、この建て方は「地震に強いお墓」基準ではありません。通常の施工となります。
だまされた!!
と思われたみなさん。
すいません。「地震に強いお墓」にするには、これらをすべて含んで、さらにいくつか別の対策もしなくてはいけません。
それをご紹介できる時もあると思います。
その時まで、こうご期待。。。(なんだよ。いつだよ、それは。。)