震災のお墓~S家のお墓移転③
神戸の墓地からお墓の石を持ち帰ってきました。
◇兵庫県豊岡市のお墓のアドバイザー大北和彦です
兵庫県豊岡市のお墓と墓石のアドバイザー、おおきた石材店です。
☑ 兵庫県北部で唯一の「お墓ディレクター1級」
☑ 雨漏りしないお墓「信頼棺®」正規代理店
☑ (一社)日本石材産業協会常任理事
☑ 顧客満足推進委員会委員長
おおきた石材店はお墓のことを全く知らない人にも、お墓を建てる時に大事なことをわかりやすくお伝えすることを第一に考えて情報発信しています。
S家のお墓工事、ここまでできたと前回紹介しました。もう1か月前でしたね。
完成しました。
まずは、神戸までお墓の石の引き取り。まあ神戸なので、日帰りで持って帰ってこれるので、自分で引き取りに行きました。
運転手付きで神戸の舞子まで引き取りに行きました。
実は、こちらのお墓は神戸の震災を経験しており、大きく欠損している部分がいくつかあります。
(当時は私はまだこの仕事を始めてすぐの新米でした。。。)
このように花立の石が大きく欠けております。
そればかりではなく、震災の影響でおそらく足の石が割れてしまったんでしょう。上の写真のように副碑が仮の石(丸い玉石)に乗っているだけだったので、今回、副碑の台石と足石を新しくさせていただきました。
まずは、お墓本体の台石の裏側、今まで土の上に置いてあっただけだったので、今回、石の上に接着しないといけないので、平らになるよう、カットしました。
おおきた石材店では大きな機械がないので、少しずつカットしていきます。
お墓本体の台石はカットできました。
花立石はカットしたのち、見える面なので磨きなおして、さらに穴が小さくてステンレスの花筒が入らないので、穴を大きく開けなおして、水が抜けるように横穴も明けます。
このように、ステンレスの筒が入るようにします。
横の小さな穴ですが、石に入り込んだ雨水が抜けるように開けます。今までは石に水を貯めて花立として使っていたんですが、ステンレスの筒に水を入れる現在主流の方法に変更したので、石に溜まった水は抜けるようにした方がいいので、こういう横穴を開けます。(冬季、氷点下になって凍結すると花立石の破損の原因になるのです)
その他、具合の悪い部分も微調整しながら、墓地に設置します。
今回、「地震に強いお墓」ではないので、耐震ボルトは入りませんが、石材専用接着剤をしっかりと使います。色の違う接着剤は全く性質が異なる別のものを組み合わせて使います。
お墓の石、戒名碑(副碑)、物置台を設置して、化粧玉石を入れて完成です。
階段部分と踏み石の3枚の石には、滑り止め加工を施しております。ただ、石の表面を加工したものではないので、汚れは付きにくいと思います。
隣のお墓との境、隙間があまり美しくない状態でした。
この部分ですね。とってしまおうかとも思ったんですが、隣のお墓がずれそうで。。。(おそらく基礎コンクリートがない)そのままにしておりましたが、完成後、こそがやはり汚い感じがしたので。。。
こんな感じに細かい砕石を入れてみました。前よりも見た目もすっきりして、気にならなくなった気がしますね。
今回、お墓の引っ越しというわけで、神戸で震災を潜り抜けてきたお墓の石を豊岡へ持ち帰り、リフォームもかねて新しく設置しました。
今回のお墓の石は「庵治石中目」という高価な国産、瀬戸内産の香川県の銘石だったのと、震災をくぐり抜けてきたお墓ということで、非常に貴重な体験をさせていただきました。
また一つ、新しい経験をさせていただきました。
お墓を建てることで、新しい経験をさせていただき、その上に立派なお墓を建てる、という仕事にかかわらせていただくこともできた。
とても有り難い仕事だな、と今回も実感します。
ありがとうございました。