兵庫県豊岡市のお墓と墓石のアドバイザー

地震に強いお墓の建て方④~接着してても倒れたお墓

    
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地震に強いお墓の建て方④~接着してても倒れたお墓

地震に強いお墓シリーズですが、接着してても倒れてしまったお墓があります。
これを見て、「地震に遭えば何をしても無駄」と思うか、「いや、施工に改善の余地がある」と思うかで、結果は全然違ってきます。

◇兵庫県豊岡市のお墓のアドバイザー大北和彦です

兵庫県豊岡市のお墓と墓石のアドバイザー、おおきた石材店です。

☑ 兵庫県北部で唯一の「お墓ディレクター1級」
☑ 雨漏りしないお墓「信頼棺®」正規代理店
☑ (一社)日本石材産業協会常任理事

おおきた石材店はお墓のことを全く知らない人にも、お墓を建てる時に大事なことをわかりやすくお伝えすることを第一に考えて情報発信しています。

関西に多い、ただ乗っているだけのお墓

このように、何もしていないお墓は倒れて当然です。石の上に石が乗っているだけ、なんですから。

でも、こんなお墓ばかりじゃない。(関西はこんなお墓ばかりですが。。。)

ただ接着してます、だけではダメ

竿石だけ吹っ飛んでしまったお墓です。裏面には接着剤の跡が。。。

でもよく見てください。でもどうもあまり良くないですね。面積が小さい。これだけ巨大な竿石に対して、これだけの面積では、無理がありそうです。

それともう一点。全体的に白くなっているのがわかると思います。水分が侵入してしまっているんですよね。多分。接着剤の部分は空気はもとより水分も大敵です。出来るだけそういったものに触れないようにシール(目地)をするわけですが、それが経年とともに劣化して、途中で穴が開いて、内部に空気や水分が侵入してしまうと、ダメです。

こちらは下側の石。(上の写真とは別のお墓です)竿石が乗る部分に黒い○が6か所程度ありますね。これは接着剤がしっかり装填されていた証拠なんですが、どうしてこうなったか。分かりますか?

答えは。。。

その面に接着剤の残りがほとんど残っていない、ということ。

つまりこの上に乗っていた竿石かスリン石のどちらかがわにすべての接着剤が持っていかれて、この石の上の面には残っていない。接着不良が原因です。この面にもしっかりと接着剤の残りが残っていればいいのですが、残っていないということは接着不良が原因だということです。

倒れてわかる施工不良のいくつか

上の写真はお墓のスリン(座布団)という部材です。白い小さめな接着剤が4か所、グレーの大きめの接着剤が上に2か所、下の2か所に接着剤の跡のような黒い丸があります。そして真ん中に穴が開いております。

この写真からはいろいろなことがわかります。

周囲にシールの跡の枠のように残る接着剤の跡がありますが、結構厚めにシールしてあるのが分かります。福島では5ミリの隙間のシールが普通らしいので、それくらいのシール跡です。でもシール内部が結構汚れていますね。これはたぶんシールが劣化、切れたりして内部に水分や汚れが侵入してしまった結果です。

左上のグレーの接着剤跡ですが、なんだかめくれあがってるように見えますね。(㊦赤線枠内)

赤線枠内の接着剤跡。めくれあがっているようにみえます。

この接着剤は弾性と言って、柔らかく多少伸び縮みするゴム状の接着剤で、柔らかいことで接着性能を担保しているのですが、触ったらガチガチに硬くなっていました。硬くなってしまったら、接着性能も落ち、簡単に剥がれてしまいます。空気に長時間触れたり、水分や油分、汚れに触れるとこうなるようです。

弾性接着剤がカチカチに固まって接着性能がなくなっている状態。

今回初めて体験したんですが、上の写真は別のお墓の倒壊した石に乗っていた(くっ付いていなかった)弾性接着剤のなれの果てです。こんなに硬くなるのか、というほどカチカチの個体になっていました。こうなると、もう接着性能なんて全く期待できないですね。

おそらく上の赤線枠の部分も同様になってしまっています。

この施工の問題点はシールです。シールの量が少ない。もっと量を多く(内部までしっかりと充填)できていれば、接着剤の性能もまだ十分あっただろうし、内部に水分やほこりが侵入することも避けることができたはずです。

さらに白い小さめの接着剤。これはたぶん2液を混ぜて接着させるエポキシ系(セラミック系)の接着剤です。色と雰囲気で判断しますが。。。
これは私も以前利用していたんですが、あまり効果的ではない気がします。エポキシ系は接着力は強力ですが、地震の強い力には勝てません。一旦外れてしまったら、全く意味を成しません。
むしろ弾性接着剤をもっと多く使った方が良かったのかもしれません。

現在は私は別のものを併用しております。

耐震ボルト、施工方法が大事

そして、真ん中に開いた穴。おそらく上の竿石に耐震ボルトを固定して、この穴に差し込んでいたと思われます。(写真の青線丸内)

それが抜けて竿石はどこかに行ってしまっています。写真だけでは正確に判断できませんが、穴の中に白っぽい接着剤のようなものが入っているように見えます。施工するときに耐震ボルトと一緒に入れたんでしょうけど、これが何なのか? 色からして、エポキシ系の白い接着剤のように見えますが、同なのでしょうか。接着剤が少なかった可能性はありますね。それで抜けてしまった可能性はあります。

この部分は断言できませんが。。。

まとめ

このお墓の倒れた原因の一つ(この写真からわかること)は
① シールの施工不良(シールに使う接着剤が少なすぎる)
 内部に水分、汚れが侵入している

② ①による接着剤の硬化
 接着剤をもっと大量に使っていれば違っていたかも

③ セラミック系の接着剤が意味をなさなかった 
 弾性接着剤をもっと多く使えば、あるいは別のものを

④ 耐震ボルトに問題が
 サイズが短くなかったか?
 固定する接着剤の量が十分だったか?
 ボルトだったか?(丸棒ではなかったか?)

などが考えられます。もちろん倒壊した原因はそれ以外にもお墓の下の方が原因である可能性の方が高いですが、この写真を見る限り、その可能性がある、と判断しました。

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