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    地震に強いお墓の建て方シリーズ①~芝台

    先日、福島まで出張しておりました。目的は別にあったんですが(今は内緒です)せっかくなので、ということで福島県沖地震の被災地のお墓の見学に行ってきました。

    目次

    1,四つ石の芝台がダメな理由

    おおきた石材店では関西では比較的地震対策を考えた施工をしているつもりでしたが、まだまだ甘いなという部分が凄く浮き彫りになりました。

    本日、お墓の引っ越しの見積作成のため、とある墓地へ。

    平成6年施工のお墓です。私が仕事を始めた頃かな。まだ初めてない頃かな。。。工事に来た記憶がないです。

    一番下の石、芝台と呼びます。筋が入ってますね。

    この赤線の部分です。この芝台という石は4つの石が組んで作られていて、俗に「四つ石」と呼びます。四つの石を組んで、その真ん中の空間にお骨を納めるスタイルです。

    今ではこの構造は決して採用しませんが、当時はこれが当たり前でした。これ以外はない、という感じでした。

    ではどうして、この構造がダメなのか?

    2つほど理由があると思います。

    2,四つ石が分離してしまう

    四つの石を組み合わせているので、ばらばらになってしまう、というのが一つ目の理由です。

    少なくとも、このお墓は簡単に四つに分かれてしまいます。例えば弱い地震が来ても、簡単に分解します。固定してないのです。この部分がお墓の中で一番の弱点となっています。

    「じゃあ、しっかり固定すればいいじゃないか?」

    というご意見もあると思います。

    数年前に建墓させていただいたお墓です。まだ、四つ石を使っていた最後の頃のお墓です。
    よく見てください。四隅に固定金具を設置しているんですが、見えますか?
    更にこの石には免震ボルトといって、基礎コンクリートと石とをステンレスのボルトで固定しております。

    「これなら安心だろう」

    本当に安心ですか? 自然の力ってこの程度のものは簡単にひん曲がってしまうかもしれません。
    金具の中にはしっかりと接着剤も使っています。石の下には樹脂モルタルも使っています。

    それでも安心できるだろうか?

    先日の福島視察の際に見た光景は、そんなレベルではなかったです。

    3,四つ石では上の石を保持できない

    もう一つのこのお墓の構造のダメな原因。それは真ん中の空間(納骨スペース)の問題です。

    先ほどの写真ですが、もう一度よく見てください。真ん中の穴、というか開いている空間はお骨が収まるスペースです。

    そして、石にマジックで線が引いてありますが、この線が上に乗る石の大きさです。この線の位置に上の石が乗るのです。乗りしろ、ってどうですか? 3㎝から4㎝程度しかないですよね。

    四隅に置いてある黒いゴム板が中にはみ出していますよね。

    これが問題なのです。

    このわずかなスペースでは上の重たい石を保持し続けることは出来ません。安定している時なら、大丈夫でしょうけど、地震の力を受けたときは簡単に倒れてしまいます。

    先日視察に行った福島のお墓ですが、このようにズレて上の石がすべて倒れてしまう可能性があります。接着面積が狭すぎるのです。

    現在、おおきた石材店では基本、芝台は四つ石を使用しておりません。

    その理由は以上の通りです。福島視察以降はますますこの意識が強くなりました。

    今回、引っ越しさせてもらうお墓は四つ石をやめて別の方法で見積しようと思っています。

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    この記事を書いた人

    兵庫県豊岡市のお墓と墓石のアドバイザー。兵庫県北部での唯一の「お墓ディレクター1級」取得。供養のプロ、墓地管理士。「お墓」に関する記事を1500以上執筆中。現在お墓に関する記事を365日毎日更新継続中。(一日怪しい日があるが。。。)地震に強いお墓と雨漏りしないお墓を建てています。

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